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ADCDUの目的

あらたな人材養成の必要性

近年のメディアテクノロジーの進展は、音楽、コンピュータグラフィックス、映画、ゲーム等のメディア芸術にかかわるコンテンツ関連産業の急速な発展をもたらしている。米国を中心に展開した分野であるが、近年台湾、韓国、マレーシア等のアジア近隣諸国は、産学官を巻き込んだ国策としてのメディア芸術振興戦略が実施されており、その結果クリエーターの増加とその質の向上をもたらしている。こうした状況を見ると我が国のメディア芸術の適用に関する組織的な取り組みの遅れには危機感を抱かざるを得ない。政府は平成14年に知的財産戦略大綱を表し、平成16年コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律を定め、高等教育を行う機関によるコンテンツ制作に関する教育の振興や先端的な技術に関する研究の開発等の政策を打ち出しており、創造性豊かな優れた人材の育成が求められている。コンテンツプロデューサーの育成は昨今盛んに要求されているが、これとともに、コンテンツ創成の基盤となるエンターテイメントを科学的視点でとらえることのできる芸術的感性と論理的思考能力を持った人材の育成も産業界から要望されている。今回、総合科学技術会議の方針に沿って科学技術の振興に必要な重要事項の総合推進調整を行うための経費である科学振興調整費による新興分野人材育成事業として、この「先導的デジタルコンテンツ創成支援ユニット」のプログラムが採択され、我が国のコンテンツ戦略の基盤となる高度な人材育成を関連産業分野と連携しながら推進していくものである。

論理的な思考能力と高度な芸術的表現能力を備えたコンテンツ創作者・研究者の育成

この分野は従来の美術系大学や専門学校での教育にみられるような、既存の制作ソフトの使用を前提としたコンテンツ制作やプロデュースを中心とするのではなく、数理的な知識や制作に伴うプログラミング能力を背景に、論理的な思考能力をもち、独自の高度な芸術的表現能力を同時に備えたコンテンツ創作者や研究者の育成に目標を定め大学院修士課程のスペシャルプログラムとして体系的な教育をおこなう。さらに、これらの成果を芸術表現やエンターテイメントの領域に適用し知財化する能力についても養う。

世界レベルでのコンテンツクリエータの育成

現在、優れたコンテンツの輩出は国家的使命であり、その基盤となる新たな視点をもった世界的なレベルで活躍できる人材の育成を当ユニットでは目指す。特に産業界との連携によりコンテンツ創成支援に必要とする教育のあり方や、イメージ形成の方法論の確立を検討し、教育プログラムに反映させた人材の育成を行う。また我が国のメディア芸術分野において主導的な立場の維持に積極的にかかわるとともに、九州大学の持つ従来からのアジアへの取り組みや地理的優位性を背景に、アジア的な感性を持った地域や国を越えた新たな制作者集団の形成も大きな目標である。人材養成開始5年後には、修士課程において少なくとも40人以上をメディア芸術に関する研究者あるいは、制作者として教育・コンテンツ産業界へ供給する。博士については当該分野において6人以上取得させる。

エンターテイメントの科学を目指して

論理的思考能力を背景とした芸術的表現に適した造形環境の整備とともに、コンテンツ創成を中心とした制作環境を充実させる。そして競争的に作品を制作し世界レベルを指向する学生を育成する。ここでは、メディアアートとしてデジタルグラフィックス、コンピュータグラフィックス、インタラクティブアート、展示計画、デジタルサウンドなどの分野からの第一線の研究者や実務家が教育にあたる。表現能力とともにその基盤となるイメージ表現のための数学や物理学を中心とした数理的な基礎力、プログラミング能力を育成するとともに芸術的感性による表現科目として、生体の観察と表現、具体的な成果の実践としてアートアンドエンターテイメント科目群等を設けている。

また「手に汗握る」「血沸き肉踊る」「ハラハラ、ドキドキ」といったコンテンツの面白さや、感動など、受け取り手側の感性的な特性を知ることも制作の上で極めて重要な問題であり人間生理・心理にかかわる要因についても当該分野の専門家の参加をえて実施する。そしてこれらの実践の結果を修了作品・論文にまとめる。このユニットでは定期的な合評会によって選抜した学生の作品や研究を支援し戦略的に産業化や世界レベルでの発表を目指す。


Copyright © 2005 Advanced Digital Content Design Unit, Kyushu University.